コラボレーションとは共に協力するとか共同作業という意味があります。

 

今回のコラボレーションは、クライエントさんと私とのコラボです。

 

私と年の近い　そのクライエントさんは、中学時代　いじめられていて

いつも絵を描いていました。新しいものになじめず、古いものが好きな

その人は、母親の影響もあって、沢山沢山　映画やアニメを観ていました。

本数にすると何百本です。しかも　その映画を何度も観るのでストーリーを

完璧に覚えています。アニメも　昔のアニメも好きだったからと

００９や銀河鉄道９９９など　頭の記憶だけで　何も見ずに絵を描くことが

出来るといったスゴイ才能の持ち主なんです。

 

最愛のお母さんを亡くした頃に　私のカウンセリングに初めて来ました。

意気消沈して何もする気になれない　その人に　カウンセリングの度に

お母さんの話を沢山聞きました。映画が好きだったこと。その映画の

題名をひとつずつ聞き、毎回　書きとどめていき

気がつけば、ものすごい数になっていました。好きだった歌手、映画スター

それらを　全部　インターネットで探し、印刷し、スクラップにして

その人に　プレゼントしました。お母さんを忘れないで　そして２人の

思い出を大切に・・・という思いを込めて。

 

それから、すこしずつ　すこしずつ　元気になっていき

冒頭に書きましたが、絵を描くことが好きだったということを知りました。

映画を全部覚えていることだって　私は感動したのに　絵を描くのも記憶だけで

書けるなんて・・・　さらに　ビックリ。

 

「絵を描いてみない？」　僕が言葉を添えるから　２人でポストカードを

作ろう！と　提案してみました。　「私は、もう何十年も描いてないから

描けませんよ～」という答え。　じゃあ、まずは練習からだね。

 

紙とGペン（漫画を描くペン）と鉛筆を渡しました。

「やってみます」と言って　初めて持ってきたとき驚きました。

ものすごく上手なんです。褒められることに慣れていない　その人は

全然ダメです。へたくそです。と終始恥ずかしそうでしたが

練習で上手だったので、次にハガキを数枚渡しました。いよいよ本番に

近くなり、描いてきてくれた３枚の絵に２人で色を塗りました。

そして私が言葉を乗せて　出来上がったのが　この３枚です。

 

この絵は　まったく何も見ないで描いたものです。

中学生の頃　いじめられて　行き場がなく描きだした絵が

３０年経って　こんな形で蘇りました。今度は、明るく人を勇気づける絵に

変わりました。印刷して出来上がった絵を　お母さんの仏壇に最初に

見せるそうです。　

 

 

次は　お母さんも　その人も大好きな　金魚の絵を　今　描いています。

今度は、１人で色鉛筆で色も塗ってもらって、また　言葉で私は

コラボしたいと思います。もうすぐ夏です。涼しげな金魚が楽しみです。