新しい自分、本当の自分が見つかる場所。心(ここ)で待っています。

嘘と支配

僕は、心理学的な本を読むのが好きですが、自分でもわかりにくい

難しすぎる本は手にしません。自分が理解にしくいものは、クライエントさんにも

伝えられないからです。

渋谷昌三さんの心理学の本は、とてもわかりやすくて、バイブルのように手にします。


その中で 今回は 嘘について書いてみます。(渋谷さんの本からの抜粋)


私たちは、幼いころから「嘘はいけない」と教えられてきました。

しかし大人になると「嘘も方便」であることがわかってきます。

たとえば、あまり一緒にいたくない人からの誘いに「今日は忙しくてごめんなさい」と

理由をつけて断るのは、人間関係に波風を立てないためには必要です。

そのほかにも、うまくいかなかったことを叱責されたときに口から出る言い訳、

自分をよく見せたいための見栄など自分を守るための嘘も心の健全という意味では

大切でしょう。


同じように子どもも嘘をつきます。

嘘は子供が健全な社会発達を遂げている証拠なのです。

アメリカの心理学者ホイトは、

子どもが初めて親に嘘をついたとき、子どもは絶対的だった親の束縛から自由になれる

と言っています。

子どもは嘘をつくことによって自分を主張し、自立への第一歩を踏み出すといっても

いいでしょう。どのように嘘をつくか、そして相手の嘘の理解度も成長へのプロセスと

いえます。「どうして嘘なんかつくの」と親は子供を叱りがちです。


子どもの悪いことを正して教え諭すのは親のみならず大人全体の役割でもあります。

しかし「どんな嘘もダメ」と頭ごなしに厳しく叱ると子どもの健全な自我の

成長を歪めてしまいかねません。

単純に嘘は悪いというのではなく、そのときの状況を見て判断することが大切です。

そして時には嘘であることを知りながらも、大人の態度で接することで

子どもは親に感謝し、健やかな発達を遂げていくといえるのでしょう。


この渋谷さんの文章を見て、気が付いたことがあります。


僕が出逢ったクライエントさんの中で、

上手に嘘がつけずに、何でも正直に親に話してしてしまう傾向のある人の

母親は、嘘がとても嫌いな人が多いのです。

そして、ホイトさんが言ったように、いまだに 絶対的な親の束縛感がある人なんです。

だから、そのクライエントさんたちは、いまだに 自由になっていないし

精神的自立もできていません。


それは、きっと 母親も気づいていないし、子供も気づいていません。

だから、自分の足でしっかり歩けなくて、カラダは大人になっても

ヨチヨチなクライエントさんにしてしまっているのは、お母さんの

どんな嘘も許さない!の精神が子供の健全な社会発達を歪めていること。

もちろん そのお母さんもまた そのご両親から そう育ったかもしれません。

すべてがお母さんだけのせいではないけれど、今後のカウンセリングには

嘘をつくことの大切さも、親御さんにも理解してもらいたいなと

更なる決意でございます。


「嘘をつく」


ついてはいけない嘘がある。

 守るための嘘もある。


嘘は 奥が深いです。



さらに 人は12種類の嘘をつくそうです


①予防線←たとえば会う約束の時間に別の予定を入れるなど

②合理化←失敗したときに言い訳をする

③その場逃れ←ありもしない嘘を苦しまぎれにつく

④利害←自分が金銭的に得する受け答えをする

⑤甘え←自分に対する理解が欲しくて嘘をつく

⑥罪隠し←罪を隠すために嘘をつく

⑦能力・経歴←相手より優位に立つために嘘の自己紹介をする

⑧見栄←虚栄心からつく嘘 自分を粉飾する

⑨思いやり←相手を傷つけないための嘘

⑩引っかけ←からかってだますなど。引っかけ問題など

⑪勘違い←知識不足などが原因で意図的ではないが結果として嘘に

⑫約束破り←約束が果たせず意図的ではないが結果として嘘になる



あなたは どんな嘘をつきましたか?





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