ディズニーが配給し、現在はディズニーの一部となったピクサー映画。
僕は ピクサー映画が大好きで(50歳になった今も・・・)
ピクサーで働きたいと もう 何十年も夢見ています。
大人が夢を見ることを大切にする会社で働きたい!
何度か テレビでピクサーの会社紹介を見たことがありますが
もう、とにかく楽しい雰囲気満載の会社なんです(もちろん 楽しいだけではないはず)
ということで
今回は、興味深いネタをネットで見つけたので
紹介したいと思います
題して
「原題とは違う邦題」
最近のピクサー映画、そしてピクサーがディズニーに買収されて、ピクサーのヘッドであったJ.ラセターがウオルト・ディズニー・アニメーション・スタジオズのチーフ・クリエイティブ・オフィサーとなってからの作品群(長編)のうち、邦題が原題とは変更されたものをあげてみよう。
『Mr.インクレディブル』→The Incredibles
『レミーのおいしいレストラン』→Ratatouille
『カールじいさんの空飛ぶ家』→Up
『プリンセスと魔法のキス』☆→The Princess and the Frog
『塔の上のラプンツェル』→Tangled
『メリダとおそろしの森』→Brave
『アナと雪の女王』☆→Frozen
『ベイマックス』☆→Big Hero 6
『インサイドヘッド』→Inside Out
※☆はディズニー作品
邦題は「の」ばっかり
ラセターが短いタイトルを好むのがよくわかる。そして毎回、この短いタイトルの中に映画のメッセージを凝縮させて詰め込むという芸当をやっている。つまり、タイトルに作品のメッセージの本質がしっかり込められているのだが、なぜかこれが日本版となると完全に骨抜きになり、突然「お子様向け」映画に映るようになってしまう。ちなみにタイトルが原題と変更させられたこれら9作品(2004年以降)のうち、なんと6作に共通する文字がある。それは「の」だ。『レミー「の」おいしいレストラン』『カールじいさん「の」空飛ぶ家』『プリンセスと魔法「の」キス』『塔「の」上「の」ラプンツェル』『メリダとおそろし「の」森』『アナと雪「の」女王』。僕はこれ、どうみてもジブリ映画の悪影響じゃないかと踏んでいる(笑)(ジブリ映画は「~の」というタイトルだらけだ。ちなみにラセターはジブリ作品のいくつかにエグゼクティブ・プロデューサーとして参加している)。
原題のメッセージとは
そこで、今回はピクサーを中心とするラセター作品群の本質をタイトルから紹介してみたい。
『Mr.インクレディブル』→The Incredibles
”The Incredibles”だからそのまま訳せば「インクレディブル一家」となる。この作品はMr.インクレディブル=ロバート・パーが主人公ではなく、一家が力を合わせてインクレディブルをトラウマとしてこれを倒そうとするシンドロームを撃退する。だからファミリードラマなのだ。
『レミーのおいしいレストラン』→Ratatouille
ラタトゥイユはフランスの田舎料理。そして刑務所などの、いわゆる「臭い飯」の意味もある。本作ではドブネズミという衛生上はきわめて好ましくない生き物だが料理好きのレミーが才能のない見習い料理人リングイニ(実は天才シェフ・グストーの息子)と協力して最高のラタトゥイユを作る。タイトルには田舎料理やネズミであっても天才の息子であっても本質は変わらない。料理のジャンル、ネズミや天才シェフという形式ではなく、内容こそが重要という意味が込められている。
『カールじいさんの空飛ぶ家』→Up
亡き妻・エリーとの思い出の詰まった家の立ち退きを強いられ、カールは家に風船を付けてエリーとの約束である南米のパラダイスフォールへ向かう。つまり家をUpさせるわけなのだが、事の本質、つまりupの本当の意味はカールがエリーとの過去の思い出の中に浸っているのではなく、次の冒険に旅立っていくことにある。そして、その旅とはパラダイスフォールへ向かうことではなく、日常をラッセルというたまたま知り合ったアジア系の子どもと楽しく過ごすところに求められる。それはエリーとの日常が冒険であったように。つまり、ここではカールの人生、日常、そして冒険の意味がup、より厳密に表現すればアップデートされる。(詳細については本ブログ「『カールじいさんの空飛ぶ家』を徹底分析する」http://blogs.yahoo.co.jp/mediakatsuya/61239970.htmlを参照)
『プリンセスと魔法のキス』☆→The Princess and the Frog
本作ではプリンセスでない普通の貧乏な黒人ティアナが主人公。彼女は魔法でカエルに変えられてしまうが、それによってプリンセスの本当の意味、成功の本当の意味、パートナーの本当の意味を知る。タイトルは「プリンセス」(夢)と「カエル」(現実)が見かけでしかないこと。二つが同じレベルにあること。これを、両極端の存在である二つ(プリンセスとカエル)をコントラストとして提示することで示している。
『塔の上のラプンツェル』→Tangled
tangledとは「こんがらがって」という意味。ラプンツェルは髪の毛が長いことによって、自らの人生が「こんがらがって」しまっている。ニセの母、ニセの言いつけ。だが夢を持ち続け、それを最終的に長い髪の毛を切り落とすことによって実現する。つまりこんがらがりをほどく。
『メリダとおそろしの森』→Brave
メリダは男勝りのじゃじゃ馬娘。とにかく元気で勇敢、つまりbrave=勇者、勇敢な存在。ただし、その元気さは無鉄砲の元気さ。言い換えれば「野蛮」でもある。ところが自らの野蛮さが招いた母がクマに変貌させられてしまう事態を契機に愛他心とは何かを自覚し、Braveは本当のものとなっていく。つまり、この作品のタイトルは「勇敢とはどういうことを意味するのか」
『アナと雪の女王』(☆)→Frozen
Frozenとは「凍てついた」という意味。北欧の街アレンテールはエルサのコントロールの効かない魔法によって凍てついてしまうが、こちらはやはり形式。本当に凍てついているのは自分の殻に閉じこもっているエルサの心性、そしてプリンセス物語を本当と思い込んでいる、つまりこの物語に凍てついているアナの心性。この二つが愛他心を獲得することで解凍されていくのがこの物語の展開。ちなみにオラフは雪の精だが、夏を愛するという犠牲心、そして愛他心のメタファーで、frozenの逆のmelt=溶けることが最高の幸せと考えている。
『ベイマックス』→Big Hero 6
これもThe Incredibesと同じく、六人のヒーローが力を合わせて敵を倒していくという物語。実は決してヒロとベイマックス二人の話ではない。どちらかというとイメージすべきなのは『アベンジャーズ』だ。
ラセター印の作品のメッセージを読み取りたければ、先ず原題のタイトル分析から入ってみるのをオススメしたい。 記事 新井克弥
なかなかに興味深い 原題と邦題。
僕は、今でも、原題と邦題を つい 考えながら楽しむ癖がついています。
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あきな (金曜日, 04 12月 2015 23:33)
あら
小林せんせーもアタシと同じ夢があったのですね
ピクサーで働きたいです
ちなみに「の」が入る映画はヒットするというジンクスがジブリにはあるらしいですよ
rickey (土曜日, 05 12月 2015 07:12)
DEAR AKINA
あら、君もピクサー希望?
だめだめ、君は すぐ お茶ばっかりするから(笑)
やはり 「の」が入ると売れるのかぁ。
僕が映画を作る際には 「の」を入れます。