感情表現が苦手だけれど 特殊な能力を持つのが特徴の精神疾患(この表現は僕は使いたくないのだけれどわかりにくくなるのを避けてあえて使います)の クライエントのKさんの
カウンセリングを始めて3年。ついに 卒業となりました。
始めの頃は、言葉を交わすたびに、顔を真っ赤にし、汗だくだった
Kさん。沢山の素晴らしい「こだわり」や「世界観」に、僕は、知らなかった
世界を沢山沢山 教えてもらいました。Kさんが読む難しい本も、僕が
うーん。。。なんだろう この本・・・と 頭を抱えてばかりいるので
いつの間にかわかりやすく解説をつけてくれるようになりました。
ここに、もっともっと
楽しくて仕方ない会話の数々を 伝えたいのだけれど、最近の個人情報や
カウンセラーとしての守秘義務とやらがあるので、どこまで書いていいのかを
悩むと かいつまんだことしか 書けないのが とっても残念だけれど・・・・
そのKさんは、重ねてきた時間と共に、卒業の今は
汗をまったくかかなくなりました。 そして、彼なりの感情表現から、ついに
表情がなかったのに、今は、ニヤニヤ笑うようになりました。
とっても、可愛くてたまらない笑い方をします。
僕が笑うだろうなと想像して 何かを言う前にニヤニヤするようになり
「なになに 先に笑うなよ~ 不気味じゃないのぉ・・・」なんて言う会話も
成立するほどになりました。
ひとりで地方に新幹線に乗って、仕事の体験に行ったりできるようになりました。
もう誰と会っても、ちゃんと それなりにやれるようになったと自分でも
言うほどです。
出逢った時から、ずっと僕の気持ちは変わらず これは、他のクライエントさんに
対してもそうですが、いつも、彼らを信じています。たとえ、彼らが
ダメダメと思っても、口にしても、寄り添いながらも 諦めることはしません。
いえ、信じてる気持ちに一片の曇りもないので Kさんのように 卒業ということは
「信じるものは救われる」の結果だと思っています。
それとは また 別の気持ちですが
正直 寂しいです。いつまでも、カウンセリングを受け続けていれば
いいものでもないのもわかっているし、自分の人生を しっかり歩けるスタートラインに
立たせて、見送るのが僕の仕事ですが
スタートラインから見送ることは、何度 やっても 泣けてきます。
「先生が泣いてどうすんだよ」って きっと みんなに言われるでしょうねぇ。
でも、Kさんとの時間は 思い返せば ほっこりすることばかりです。
僕が大切に育ててきた アンスリウムの花が 去年 まっすぐに一本だけ
咲きました。真っ赤なハート型の素敵な花です。
とても大切に喜んでいたら・・・ つい先日 まさかの
もう一輪 ひょっこり 小さな 赤いハートが咲きました。
大切に大事にすれば、必ず 信じる気持ちに応えてくれる。
期待するのでもなく、見返りを求めるでもなく ただ 「大切」と思うこと。
生きるもの すべてに 共通してることなんだなと思うのです。
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