毎週火曜日は 町田のまごころクリニックに勤務して4年が過ぎ
5年目に入りました。
4年間の勤務の中で、前もって「お休み」のお願いをして休みをもらった日、以外は
一度も体調を崩すようなこともなく クリニックでしか会えないクライエントさんとの
時間を大事にしています。
この仕事は自己管理も大切です。具合が少しでも悪いとクライエントさんの
お話しも、顔の表情も読み取りが遅くなってしまいます。
何気なく話す言葉の端々に大事なヒントも隠されているので見逃せないんです。
だから、元気な心と体でいるために 僕が意識しているのは
☆ しっかり睡眠をとること
☆ 食事をとること
☆ 適度に運動すること
☆ 好きなことをすること
そんなに難しいことはしてないんです。
ただ、その「適度」も大事だし、「実行」することが大事なんですね。
さて、休まずクリニックでの勤務を大事にしている僕が
一昨日のクリニックの勤務を 「ドタキャン」しました。
その日 早朝、体調のすぐれない母親の様子を見てから仕事に向かおうと
実家に寄りました。いつもより更に様子がおかしいなと感じました。
近頃 お箸を握れなくなって、手に力が入らず、お箸を落とす回数が増えていたのも
気になっていて、さらに その日は、顔に表情がなくなっていました。
自分の意思では動けない体を抱いて、ベッドルームからリビングまで車椅子で
運び、熱でこもってしまっている(熱中症か?)首元と、腰にアイスノンを
あてて、しばらく様子を見て、僕は母に「行くからね」と許可を得て
職場に向かいました。
車で走りだし、いつも 朝ごはんを食べるカフェでコーヒーを飲みながら
朝食をとっているのに、食べているのか食べていないのか感覚もわからないほど
心がザワザワして、立ち上がって車に乗り込み、今、来た道を走りだしました。
今日、心待ちにしてくれているクライエントさんには ほんとに申し訳ないけれど
受付で、僕がドタキャンすることを説明してくれる受付の皆には ほんと申し訳ないけれど
クリニック全体に迷惑かける院長はじめ、みんなに申し訳ないけれど
母の代わりはいない。高齢の母と過ごせる時間は自分が人生を終えるほど長くない。
家に戻り、かかりつけの病院に 今の様子を電話で相談し、救急車がいいのか
車椅子の介護タクシーで運ぶのか、いつもよくしてくれる看護師さんの
指示を仰いで、救急外来では、担当医の医者が担当外かもしれないから
車椅子で運べるなら総合内科へ・・・と。
姉も、来てくれていたので、協力して、段取りよく、病院に連れていくことができ
検査も兼ねて、入院することとなりました。
脳の中で何かが起こっているのではないか・・・と不安に思いながら
お医者さんの指示で動く看護師さんの動きを じっとみていました。
今のところの結果は「低ナトリウム血症」
塩分が足りなさすぎということです。
高齢者は、とくに母は塩分を控えないといけないと言われて意識していたけれど
ここのところ食事も ままならないくらい食べることができていなかったので
もっと足りなかったのかもしれません。塩化ナトリウムを点滴で腕に入れて
塩の補充をしています。昨日、見舞ったときには、腕が動くようになっていて
体の不思議と人間の体は複雑にできているのだと しみじみ思いました。
何より 母が骨がなくなってしまったクラゲみたいな体から
自分の意思で手足が動かせることが 当たり前なことなのに その当たり前を
とても嬉しく思いました。
まだまだ心配な症状はあるけれど 入院してることで安心なことも沢山あります。
体や部屋の温度調節や、食事のこと、清拭や、腹膜透析のことなど。
この暑い夏が始まると高齢者は、気づかないところで熱中症になってしまいがちですから。
寂しがりやの母のもとに毎日 通うつもりの僕ですが
それは、ちっとも苦ではありません。なぜならば
最初に書いた健康な心と体でいるためにのひとつ 適度に運動すること
これを フルに使って、家から病院までジョギングで通おうと思っています。
好きな音楽を流しながら・・・。
建物のクーラーで冷えて風邪ひかないように、着替えを1枚持って。
これで完璧~! しかも ダイエットできるかも?
クリニックにドタキャンした日は、朝、クリニックに連絡し、ファックスで改めて
クリニックの皆さんにお詫びの内容と、その日 誰がクライエントさんか
わからないので、前もってわかっていればひとりひとりにファックスで
メッセージを書くことができたのですが、決まって2週間に一度来るTさんは
わかっていたので、Tさん宛にだけメッセージをファックスして 渡してもらいました。
昼間にもう一度クリニックに連絡したときは、受け付け女子の方に
「患者さんは、皆さん わかってくれましたから安心してね。お母さん お大事に」と
言ってくれてました(涙)
僕が 心いっぱいで向き合っていることがクライエントさんに
伝わってくれたのだと勝手に思っています。
一昨日来てくれたクライエンさんには
次回 会ったときには クライエントさんの「その日 その時」を 見つめてあげられなかったことを謝りたいと思っています。
ドタキャンは、沢山の人に迷惑をかけたことだったけれど
母の状態からして明日延ばしにしなくて良かったという思いから
思い立ってUターンして良かったと思っています。ドタキャンに後悔はありません。
きっと、あのザワザワは 母に呼ばれたのだろうと思い
「俺のこと呼んだでしょ」と聞くと 「うん、呼んだ。戻ってきてくれた」と
言葉が少ない中で そう言いました。
親子にも色んな「縁」があります。絶縁してる親子もいます。
仲がいいとか親想いとか子想いとかが いいというのでなく
これは本当に 育ってきた環境、育てられた環境、状態、夫婦関係など
いろんなタイミングがあります。複雑でわかりあえない関係でも いつか
修復できればいいかもしれないけれど、修復不可能になったとしても
その代わりに何かを誰かを愛することはできます。
想うこと愛することを捨てて腐るのは違います。愛することはできるのです。
いろんな愛の形が 豊かな心を作れますように。
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