先日、父親が高齢の為に、車を手放すことにしたので

僕が数社の車やさん４人に査定に来てもらいました。

 

４人　３０分ずつで２時間

寒空の中で　査定をしてもらいながら　色んなことを教えてもらいました。

こんな業者は危険だという話や、査定の仕方、流れ、そしてなにより

その人の人柄。そして　雑談が出来るか出来ないか（それだけ余裕があるかないか）

 

最初の人は、経験値の高い　仕事を沢山してきた人だなという印象。

色んな業者や、色んな車を見てきているので、この車のドアが

交換されているか、されていないかなどの見分け方を教えてもらったりして

うんちくを聴くのが好きな僕には　とても興味深い人でした。

 

２人目に来たのは　新人君。

まったく自分では何もできずに上司との電話やメールで動かされている感じ。

羽生結弦似の色白で今どきの男の子でしたが、査定には関係ない容姿ですね～

 

３人目は、家の近くの会社の人で　みんなが車で来る中

彼は自転車でやってきて、そのタイミングがおかしくて　それだけでツボに入りまして・・・

その彼は、熱心に丁寧に車を一番長くチェックしていました。

ぬかりないよう、後悔ないよう・・というような感じで。

それぞれ皆さん　最初に名刺をくれたのですが　その彼の名前が

いい名前だなと思ったので　その話をすると

その彼の名前は「基（もとい）」君というのですが。僕、個人的に

いい名前だなと思ったので「いい名前だね」というと

「祖父がつけてくれたんです。漢字一文字で表から見ても裏からみても同じ漢字で

裏表のない人間になってほしいという気持ちでつけてくれたそうなんです」と。

 

なんて素敵な考えなんだろう。そのおじいさんのことを考えました。

どんな人なんだろう。どんな生き方をしてきたんだろう。

 

そして彼の他の兄弟も皆、漢字一文字で裏表のない字でした。もちろん　おじいさんが

名付け親。そして彼も、自分の子供には「圭」とつけたそうです。

 

その話で　心がいっぱいになったのと

４人目の人は　インパクトが薄かったので　ただ　靴がやたらと

とんがっていたのが気になって、とんがりさんと覚えているけれど

顔もエピソードもなく　覚えてない・・・。

 

結局、どの会社にも　いまだに決定はしていませんが

この中で　選ぶなら　３番目の自転車でやってきた彼だなと

思うのですが、なんせ親父の代理人なもんで、決めるのは親父ですが

任せるといわれたら、３番目に決めたいと密かに思っています。

 

短い時間の一期一会でしたが

人を見て、何かを感じることは、楽しいことです。

たとえば

今回のように、まず、名前が素敵だなと思う→

これを心の中だけで思うのも素敵だけれど相手に　いい名前ですねと伝えたことによって　広がったエピソード。

それを知ることで、想像する　おじいさんの人生。

気持ちが　ほわんとしました。

 

けれど、もしかしたら、自分の名前がキライな人もいます。

たとえ響きが綺麗でも、その人が嫌いな人につけられたとか、親との関係が

悪くて憎んでいる名前ということもあります。

けれど、僕は彼に対して、この査定のシーンに自転車で登場したときの笑顔や、熱心さに

そういったマイナスなものをもっていないのを感じたから　無意識に聞いていたのかも

しれません。　それでも、もし、相手が　嫌がって

「僕はこの名前嫌いなんです」といったら

きっと僕は、「とても残念だね。とてもいい名前の響きだと思ったし、僕は好きだなと

思ったから　いつか好きになれる人生と自分になれたらいいですね」というでしょう。

これも、年の功ですかね(笑)

若い時は、言えないセリフですね。

 

そんな風に　寒空の中の査定２時間　結構　楽しかったです。