知らなかった景色というものは

そこに行ってみると知るもの。

 

その景色は、行かなければ永遠に写真の世界で

想像だけで感情は動かない。

 

でも、行ってみると

想像ではなく現実になって　また違う感情が働く。

 

最近、僕は、５５歳の自分を

はたと考えることが多い。

若い時にイメージしていた　この年齢は　しっかり中年で

年寄り！ともまではいかないけど　すっかり「おじさん」

僕は母が３０歳の時の子供なので　今の僕は

僕が２５歳頃の両親とだいたい同じ年。

元気でパワーあったよなぁ　あの頃の僕の両親は。

 

今の僕自分で分析すると・・・

 

健康面では、今の僕は若い時より　正しく運動しているように思う。

若い頃は　気持ちや勢い任せで不摂生だった。タバコもガンガン吸ってたし。

今は、定期的に運動していて　食事も気に掛けたりしていて・・。

寝る前に食べたらどうなの　とか、もっと歩かないかん・・・とか(笑)

 

行動面では　どうだろう

好きなことを　ちゃんとやれていると思う。

無理をせず、したいことをしている。

ただ、新しいもの、新しいことに関して　特に流行りのものには

すっかり興味がなくなってしまった。昔は、パソコンの機能に関して

敏感だったし、やってみたいことが沢山あった。

音楽に関しても、好きなアーティストのＣＤ発売日にも敏感だったし

音楽を聴くためのオーディオや、ウォークマンなんかも新しいものが出るたびに

チェックしてた。

だから、今は、テレビに出ている若いアイドルは　すっかりわからないし

歌の上手い子のレベルがもう昔とは違っているし

感心することばかり・・・。

 

感情面では　どうだろう

人に対して　熱かった　今でいう　激熱(笑)だった頃に比べて

すっかり　距離感が上手くなったというか

落ち着いた。　つまり　年齢相応になったのだろう。

もちろん　それだけでなくカウンセラーという職業になり　沢山の人と出逢って

考え方や幅も全然広く大きくなったというのもある。

昔は、曲がったことが大嫌いな僕は、刀を常に振り下ろしていたし

言い訳やウソや約束守らないなんて言語道断だった。もう抹殺状態(笑)

でも今は　言い訳しても、ウソをついても、約束守らなくても

その人の生き方だからね　と思うようになり、その人が友達であったとしたら

距離をとることも覚え　気持ちの在り方が楽になることを優先できるようになったのかな。

 

でも、僕は　案外　大好きな友達や恋人に　わかってもらいたくて

刀を振り下ろしていた自分がキライではなかったなと思う。

相手からしたら、きつくて、傲慢や強引だったと思うけど

そういう相手と　ちゃんとわかり合えた時の「喜びと反省」の瞬間は

大切な時間だったと今も思う。いま、相手を想って、ちゃんと怒ることから

遠のいていることはちょっと寂しいと思うこともある。

 

きっと、一般のセオリーだと

それが　子どもに向かうのだろうな。

自分の子供と向き合って、伝える、伝わる　を繰り返しながら・・・。

 

残念ながら　子を持つという辞書が

僕には現世ではないから、来世では、普通のセオリーを生きてみたいけど

こんな僕で生まれたら　また　とっちらかった人生かも(笑)

 

というように

今５５歳を生きながらにして　僕は　なかなか上手に生きているなと思う。

 

無理はしない。無理もしたい。

無駄はしない。無駄にも価値ある。

熱くない。熱くなってみたい。

常に目標をもっていたい。

人を愛することをやめない。

 

変わらないもの　変わっていくもの

その変化を楽しみながら

 

明日　死んでも後悔しない「今日」を大事に。

 

案外　年をとるのも　面白いもんだ。

 

若い頃　知らなかった景色を　今　みているのだから。

 

６０歳になったら　また違う景色を。

そうやって　重ねた年齢のその景色を眺めながら

　母と再会できる日を楽しみにしているのです。